工務店のSEO対策って本当に意味ある?検証してみた結果とコツ

こんにちは、昇高弘典です。今回は地元工務店がSEO対策する意味があるのかについて解説します。

  • 「SEO対策した方がいい?」
  • 「何から始めればいい?」
  • 「どれくらい効果あるの?」

そんな悩みをお持ちの方向けに、実際に私自身が実践した内容を踏まえて、地元工務店のSEO対策について解説していきます。

ぜひ、最後までご覧ください。

目次

【検証結果】地方工務店がSEO対策した結果

まずは、実際に私がどんなSEO対策を行い、どのような成果を得ることができたのかについて解説します。

「地域キーワード+注文住宅+相場」で1位に掲載されました

結果から見てみると、2022年9月ごろからブログ記事を書き始めて、約半年間で50記事程度の記事を書きました。

そして、その後1年間ほど様子を見てみたのですが、以下のような地域系キーワードで検索上位を獲得することができました。地域系キーワードというのは、特定の地域での検索されるようなキーワードのことを意味しています。

  • 福山市 注文住宅 相場 最高1位
  • 福山市 新築 補助金 最高1位
  • 福山市 平屋 新築 最高3位
  • 福山市 平屋 最高4位
  • その他 地域系ロングテールキーワード

こちらが実際に立ち上げたサイトのGoogle Search Consoleの結果です。

もちろん、地域系キーワード以外にも、住宅性能に関する記事や家づくりに関する一般キーワード(日本全国で検索されるようなキーワード)についても上位表示させることができました。

対策内容と集客動線

上に述べたような結果を出すまでにどのようなことを実行したのかについて解説していきます。今回地域系キーワードを獲得するために、行った施策は「特定キーワードを主題としたブログ記事の執筆」です。

たとえば、「福山市 注文住宅 相場」というキーワードを主題とした場合以下のような構成の記事を執筆することで、検索ユーザーの求めている情報を提供することができます。

  • 広島県福山市の新築戸建住宅の予算目安
  • 広島県福山市の注文住宅の予算内訳
  • 広島県福山市で家を建てるときの予算の決め方

そして、このようなブログ記事コンテンツを通じて検索ユーザーに有益な情報を提供することで、ユーザーとの信頼関係を作ることができます。結果的にホームページやSNSへとアクセスが促されて、問い合わせにつながるという集客動線を引くことができます。

ただし、どんなキーワードでも上位表示できるというわけではありません。自分たちが独自で持っている情報や自分たちにしか出せない価値を検索ユーザーに提供する必要がありますし、競合が少ない市場を選ぶ必要もあります。

なので、SEO対策というマーケティング施策を俯瞰して考えて、どのような順番で何かを実行するかの判断できる能力が求められるポイントでもあります。

また、有益な情報を記事にするだけでなく、WEBサイトやドメイン単位での検索エンジンからの評価なども重要になるため、その点を考慮した施策の実行も必要です。詳しい内容については、後ほど紹介します。

集客効果と今後の展望

ここまで検索における上位表示という観点からSEO対策を見てきましたが、工務店経営者にとって重要なことはこのようなマーケティング施策を実施した結果、実際に集客につながったのかという点だと思います。ここについても見ていきましょう。

ブログ記事を通じたサイトの直接的な効果としては、2023年の1年間で以下のような数値となりました。

  • 福山エリアの新規アクセスユーザー数: 3,236 (前年比400%増)
  • ホームページ経由の問い合わせ数:前年比150%増
  • SNS経由の問い合わせ数:前年比200%増

なぜ、問い合わせ数やアクセスユーザー数という少しあいまいな表現になるのかというと、工務店集客ではユーザーから「○○を見てきました」という明確な回答をもらうことが難しく、直接的な効果測定が難しいからです。

この記事をここまで読んだ方からすると、このような結果の示し方に対して少しがっかりするかもしれませんが、これはSEO対策に限らずどんなメディアを使ったマーケティング施策でも起きる問題です。たとえば、YouTubeに力を入れた結果、YouTubeではなくSNSのDMからの問い合わせが増えるみたいな現象が発生する可能性があります。

では、上記の集客効果を踏まえて、今後の展開について話します。前提として、2022年9月から50本ほどの記事を執筆するというSEO対策の実施を行い、2023年はほどんど記事は執筆しておらず、効果測定のみを行いました。

その上で、さらに記事を増やして対策を強化するということになりました。また、私の場合、SEO対策以外にもSNS運用、YouTube運用、WEB広告、アナログ広告を並行して担当しているので、それらを掛け合わせ施策を継続的に実行するという方針になりました。(2024年1月1日時点)

【検証結果から分析した】工務店SEO対策のポイント9選

SEOディレクター兼ライターとして活動していくなかで、効果的なSEO対策を実行するために特に重要だと思う10ポイントについて解説していきます。

ポイント①対策キーワードはローカルキーワードだけでいい

SEO対策を実行するにあたって、もっとも重要なポイントが「どの検索キーワードに対して最適化を目指すのか?」という目標設定と何をゴールとするのかというゴール設定です。

地方工務店のSEO対策では「地域系キーワード(自分の商圏のみで検索されるようなキーワード)」を対策すれば十分であると私は考えています。

世の中にはたくさんの検索キーワード、検索ニーズがあるでしょう。しかし、実際に問い合わせにつながるようなキーワードは決して多くありません。たとえば、以下のような地域系キーワードが挙げられます。

  • 地域名 注文住宅
  • 地域名 注文住宅 価格
  • 地域名 注文住宅 坪単価
  • 地域名 平屋
  • 地域名 家を建てる

ここに上げたキーワードは一例であり、地域による違いや競合の状況を踏まえて判断する必要があります。

重要なことは、一般キーワード(自分の商圏以外でも検索されるようなキーワード)の対策は余裕がなければしなくて良いということです。

もちろん、一般キーワードで上位表示することができればサイト単位での検索エンジンからの評価があがり、結果的に良い効果を生むこともあるでしょう。ただ、現実問題としてその費用を広報費から持ち出すことが難しい場合が多いと思いわれます。

なので、最優先課題を地域系キーワードの対策に絞ってリソースを配分した方が良いと考えています。

ポイント②ドメインを強くするアナログ営業も必要

SEO対策において重要な施策の1つが、ドメインパワーを強くするということです。ドメインパワーが何かについては、また別の記事で解説しますが、簡単に説明すると「検索エンジンからの評価」です。

GoogleやBingなどの検索エンジンから高く評価されるドメインを使っているWEBサイトは、上位表示されやすいです。(所説ありますが、、、)

では、どのようにドメインを強くするのか?工務店SEO対策でおすすめするのは「アナログ的な企業の社会活動」です。たとえば、地域創生に関するイベントのボランティア活動を行ったり、建材メーカーと共同で新製品を開発するなどした場合に、他社のWEBサイトからリンクをもらうという方法になります。

このような社会的な活動を行うことで、他者から良い評価が下されるほど、ドメインは強くなります。結果としてユーザーのアクセスが集まり、集客につながるという流れが生まれます。

ポイント③SEO対策の効果は最短でも6ヵ月で考えるべき

地方工務店がSEO対策を実行するとき、少し注意が必要なポイントが「効果測定の期間」です。

WEB広告やポスティングチラシなどの直接的な広報宣伝と比べると、SEO対策の効果が表れるまでの期間は長くなります。なので、効果測定は少し中長期の目線で考えるべきだと私は思います。

年間数棟~数十棟の家を建てる工務店であれば、広報費として使える予算にも限りがあるので、それほど長い期間をかけて1つの施策をテストするのは難しいという問題もあるでしょう。

なので、効果測定の期間を考慮しながら、複数のマーティング施策を同時並行で進めることがおすすめの手法です。たとえば、以下のような測定期間を設けて、PDCAを回すと良いです。

  • WEB広告:短期的集客 ( 1日~1週間単位)
  • SEO対策 :中長期的集客(半年~1年単位)
  • 野立看板 :長期的集客(1年~数年単位)

ポイント④継続的な運営管理は必須

私自身で執筆したブログ記事を使って、いくつかの検索キーワードでコンテンツを上位表示させることができました。しかし、その後1年間程度のブログ記事の更新を止めていた結果、以下のように少しずつアクセス数が下がってきています。

今後はブログ記事の制作を再開する予定ではありますが、このようにサイト内のコンテンツをブラッシュアップせず、放置しているとSEO対策の効果は少しずつ薄れていくことは避けられません。

具体的には、新規の記事を公開したり、過去の記事の内容を見直して最新の情報を書き換えるなどの作業が必要になります。

なので、SEO対策は継続することに意味があると理解して、どうすれば継続的にサイト運営できるのかという仕組みづくりもサイトの立ち上げとともに考えておく必要があります。

ポイント⑤記事制作を外注するという選択肢もあり

ブログ記事を使ったSEO対策を実施する場合、誰がどのように記事コンテンツを制作するのかという問題があります。これまでいくつかのサイト立ち上げを行った経験を踏まえると、以下の2通りの方法がおすすめです。

  • ディレクターとライターを兼任して、1人でコンテンツを作り込む
  • ディレクター、ライター、記事のWEB化作業者など分業制にして複数人のチームで制作する

①を選択する場合、ディレクターに求められるスキルが多くなることから、その役割を果たす人材を確保することが最大の課題となるでしょう。そういった人材がいるならば、1人にまかせてしまうという選択もありです。

1人でサイトを作り込むことで、深く専門性の高いコンテンツを作りやすく、競合サイトとの差別化を生み出しやすくなります。

一方②を選択した場合、1人に割り振られるタスクが単純化できるため、作業者の確保という課題を比較的かんたんに解決することができます。

ただし、チーム制の制作では制作進行や作り込みにおいて問題が発生しやすいという課題があります。いずれの選択肢を選んだとしても、自社で人員を確保するか、外部にコンテンツ制作を依頼することになるでしょう。

地方工務店でそういった人材の確保が難しい場合には、外部に委託するという選択肢もあると考えておいてください。

ポイント⑥SNSやWEB広告との掛け合わせも大事

現在のWEBマーケティングの基本として、SEO対策のみで企業の集客を安定化させるというのは難しいと言わざるを得ません。

なぜなら、Googleの検索アルゴリズムが頻繁に変更され、「昨日まで上位表示されていたキーワードで今日から表示されなくなった」ということが起きる可能性が低くないからです。

これはSEO対策に限らず、WEB広告では広告の配信停止やYouTubeのアカウント停止などどんなメディアでも起きるリスクです。

では、どのようにリスクヘッジするのかという課題に対する1つの答えが、「複数のメディアを掛け合わせ」ということになります。

Youtube→ブログ、SNS→ブログ、ブログ→LINEといったように、いくつかのチャネルを持ち、それを1つのマーケティングゴールに向かって同時並行的に施策を実行するのです。

もちろん、チャネルを複数持つためには人、金、物のリソースが必要になります。優先順位をつけながら、全体のマーケティング施策を設計してみてください。

ポイント⑦まずはホームページを整える

前章で解説した通り、現代のマーケティングでは複数のチャネルを掛け合わせる(いわゆるクロスチャネルやオムニチャネル)という考え方が重要であるとお伝えしました。

しかし、実際問題として優先順位をつけるときに何を最も重視すべきかという問題は残されたままです。なので、ここでは優先順位についてもう少し詳しく見ていきましょう。

私がおすすめする最も優先順位の高い施策は「ホームページの改善」です。ホームページはあらゆるチャネルとつながり、ユーザーにとって信頼性と安心感をもたらすという重要な役割があります。

このように聞くと、多くの人は「私の会社はすでにホームページを持っているから問題ない」と考えるかもしれません。しかし、そのホームページの多くは何を伝えたいのか、どんな人に届けたいのか、他とどのように違うのかという全体設計のない物が多く散見されます。

なので、本当の意味での「ホームページの改善」とは、企業のマーケティング設計まで立ち帰る必要があり、ときには商品設計やブランドコンセプトまで立ち返ることになるかもしれません。

結果として良い改善ができれば、その後のホームページ上の作り込みはそれほど難しいことではなく、またその後他チャネルへの展開も比較的スムーズに進めることができるでしょう。

ポイント⑧分かりやすい動線を作る

ホームページを改善することができたら、次に優先度高く実行すべき施策は「わかりやすい集客動線」です。集客動線と表現すると、どうしても企業目線で動きを捉えがちになるので、顧客目線に置き換えて「ユーザー体験」で考えて見ましょう。

たとえば、工務店の集客では、チラシ広告→ホームページ→資料請求→見学会予約→初回接客という流れがあります。

このとき、ユーザー目線の体験で考えてみると、昨日ポストに入っていたチラシを見て、たまたま先日夫婦の会話の中で話題に上がった電気代のことについて書かれていたので、その内容が気になってGoogleで検索していた。

そうすると、近くの工務店のホームページにあるブログ記事に詳しい内容が書かれていたので、もう少し詳しく話を聞きたくなって資料請求することにした。このようなアクションを取っているかも知れません。

ここで重要なことは、上に述べたような一連のユーザー体験がスムーズに行われるというべきであるというです。もし、ブログ記事で良いことが書かれているのに、ホームページからの問い合わせ方法が分からなければ、ユーザーはその時点で離脱してしまい、もう戻ってこないかもしれません。

ぜひ、今自分たちの会社の集客動線がユーザーにとってわかりやすく親切なものであるかどうかをもう一度確認してみてください。

ポイント⑨記事コンテンツは他のことにも使える

SEO対策にはさまざまな手法がありますが、当記事で紹介したのは「特定キーワードを主題としたブログ記事」でした。

ここで制作を行った記事コンテンツはさまざまなことに活用することができます。たとえば、同じ主題を取り扱う動画を制作したり、セミナーを実施したりすることもできるでしょう。

また、InstagramやTwitterなどにコンテンツの一部を最適化させて情報発信すれば、SNS→ブログという集客動線を獲得することもできるでしょう。

このように、記事コンテンツは汎用性が高く、一度制作したものを他のマーケティング施策にも反映させることができます。

まとめ

今回は、工務店のSEO対策は意味があるのかについて実践経験を踏まえた内容で解説しました。1996年にGoogle検索が開発され、およそ四半世紀という年月が経とうとしています。

さまざまなメディアが登場する中でも、Google検索は未だに多くユーザーが利用しており、今度数年間は引き続き、重要なマーケティングチャネルの一つであることは変わらないでしょう。

ぜひ、工務店の広報担当やマーケティング担当の方は今回解説した内容を参考に実践してみてください。

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